本競技会は、「技術者の底辺拡大」並びに「現場力の向上」を図るとともに、最新の施工技術・工事規格の普及拡大と会社間競争を通じた施工技術レベル向上に加え、施工者にプロ技術者としての「自覚・自信・誇り」を持たせることを目的とし、例年開催を行っておりましたが直近の2回はコロナ禍の影響により見送りとなっておりました。今回、3年ぶりとなる大会は、『第17回光通信工事技能競技会~未来を創る“つなぐ心”と“進化する技”で新時代へ!~』と題して、令和4年10月5日 京都バルスプラザにて開催しました。開催方法として、完全招待制による集合とオンライン配信によるハイブリッド形式で実施各社から選出された選手による見ごたえのある競技が繰り広げられ、ご来場(約520※運営スタッフを除く)とオンライン視聴(視聴数1,383端末/事前登録1,930名、延べ29,833アクセス)による選手への応援、VE&VA展示、講演会等のプログラムも含め盛況な競技会となりました。特に初の取り組みとなったオンライン配信については、これまで参加が困難だった遠方からの視聴を可能とし、複数のカメラとインタビューを交えた臨場感のある映像をお届けし大変好評を頂いております。
③●日程: 2022年10月5日(水) 9:30-17:00(開場 9:00)
●場所: 京都パルスプラザ
●開催形式
●競技種目
●選手・審査員・指導員
●講演会
●展示: VE&VA・安全関連物品
③
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◇開会式
【加賀谷会長 主催者挨拶】
今大会は、新型コロナ感染拡大の影響で2年間開催を見送り3年ぶりの開催となった。今回は初めての試みとなるオンライン配信も行う。3年ぶりにもかかわらず非常に多くの方々に関心を持っていただき厚く感謝申し上げる。
この競技会は、通信技術の未来を創り、さらに技術を高度化、多様化させて新時代に対応していくという思いを込めたものである。競技では選手たちの磨き上げた最高の施工技術を披露し競い合うので、観客の皆さまには、是非応援いただくとともに、その鍛え上げられた現場技術力を称賛していただきたい。オンライン視聴される皆さまには見たい場面を切り替えながら視聴していただき自社の応援、他社技術の参照、各種情報の収集等にご活用いただきたい。競技後は講演会やVE&VA提案の展示も行っておりますので是非そちらもご覧いただきたい。全選手の健闘とともに本競技会が会員各社ならびに傘下の皆さまにとって有意義な大会となることを心から祈念する。
【NTT西日本 森林社長 来賓挨拶】
本競技会への参加は初めてであり楽しみにしている。NTT東西で光の契約は2,300万に到達した。これもひとえに通信建設業界の皆さまのご尽力のお陰であると考える。今年も台風の被害があったがお陰様でビル間は回復、加入向けは復旧中、皆さまの対応に感謝申し上げる。人身事故・設備事故は多く発生しており、やはりどうしても事故はゼロにならないが特に人身事故は極力ゼロにしていきたい。西日本は開通納期が長くなっていたため短縮をお願いしていたがどんどん短くなってきている。当面の目標であった開通納期25日を切ったということで感謝申し上げる。日本の光インフラを中心にした工事の開通、保守運用の技術は世界一
のレベルだと考えている。この技術力を維持し続けるためにも、技術の伝承を行っていただきたい。この競技会は、まさにトッププレイヤーから後進へ伝える技術伝承の場と考える。NTT東西は新しい取組みとしてビジネスSI領域に力を入れている。2つ目の競技は医療オンラインを模した課題となっているが、ITはどの事業分野でも不可欠な存在になっており、そのITを活用するためには、通信、光インフラが欠かせない。こういった事業をどんどん拡大するため、皆さまにもビジネスSIを意識した構築工事を進めていっていただきたい。選手の皆さまには力と技を発揮して今までで最高品質の競技にしていただきたい
加賀谷会長による開会挨拶 |
NTT西日本代表取締役社長 森 林 様挨拶 |
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選手宣誓(NDS(株)濱口さん) |
渡邊PJリーダー[日本コムシス㈱]の競技説明 |
◇競技模様
【光アクセス施工部門課題】
台風の被害による倒木に伴い加入者光ケーブルおよび医療施設へのドロップ光ファイバが切断されお客様の回線故障が発生、全国広域支援により、2人でKYを実施して復旧する競技となる。
なお、 復旧用ケーブルとしては「40SM-ANSZ」を使用し、ケーブルは全て断線となっている状況、事前に外線班にてケーブルは敷設済とします。復旧方法は次のとおり。
・2名で1箇所ずつの復旧を実施、上部側は全て融着ストレート接続
・下部側はお客様施設への引込線の張替えと中間接続の実施、またドロップ光ファイバの張替えは安全面等を考慮して2人作業で実施、接続については、それぞれ別の作業者での復旧
・収納後のパルス試験と医療施設の復旧確認を実施
作業前KY |
指導員インタビュー( ㈱TOSYS ) |
光アクセス施工競技 |
光アクセス施工競技 |
光ユーザ施工競技 |
光ユーザ施工競技 |
◇講演会
通信建設業界をスマート化により「魅力ある現場・業界」にして持続可能な発展を目指すために「未来志向の変革2.0」を立ち上げ、新たな取組みを進めている。 一般的に労働人口は、この10年間で10%減ると言われているが、建設業界については35%程減るといわれている。通信設備について、 電柱の本数は20年でほとんど変わっていない。ケーブルは光ファイバの普及で倍増している一方、通信建設工事に従事するエンジニアは減少し、自然災害は毎年発生し甚大化している。こうした現実を踏まえながら、しっかりと設備、技術を支え るために効率化を進めていく必要がある。建設・土木分野では、ロボットによる施工等、ICTを活用したスマートコンストラクションが実現されつつある。一方、我々通信業界では、NTTの保全はスマートメンテナンス(MMS技術を活用したデータの測定や集約センタによる遠隔診断など)によりスマート化が進んでいるが、工事については例えば建柱工事やケーブル接続は、10年前の施工能率とほとんど変わっておらず、建設工事に従事するエンジニアの確保について危機感を持っている。 具体的な見直しの事例として、肉体的な負荷を軽減するためにアシス トスーツの導入を進めている。掘削作業を、モーションキャプチャし筋肉の動きを調べると、腕や足に負荷がかかっていることがわかった。そのため腰をサポートする既存のアシストスーツに、腕をアシストする機能を組み合わせて、今年度内に全建柱班に導入したい。 また、建柱については専用クレーンを導入することで肉体的な負荷を軽減し、将来はロボットを使って、ほぼ自動で建柱できるようにしたい。デスク・間接業務の効率化への取組みとしては設計構築図面と作図に 紐づく情報のデータフロースルー化を伴う「実施設計AP」の開発を着手している。従来手書きのパワーポイントやCADの作成を行っていたところをアプリケーションで自動化を図る。労働者の確保のため労働環境実態調査の結果、通信建設業界のPR、 採用活動へのサポートが課題と認識している。協力会社向けに採用活動のノウハウを展開する勉強会や、学生に向けた通建業界PRのためのコンテンツを作成しているので皆さんと協力して進めていきたい。NTT東日本での取組みを紹介。 7月から「安全センタ」を本社に設置し、社内の安全教育の徹底、最新技術の導入を進めている。もともと安全推進担当がいたが、人事で担当者が入れ替わるため、安全ノウハウがしっかりと継続できないという課題があった。こうした課題を踏まえ プロとしてしっかりと取り組むために安全センタを立ち上げた。安全センタでは現在、ネットワークカメラとAIの活用に力を入れている。ネットワークカメラを全班に導入し、現場の見守り、作業安全性の向上を進めている。それ以外に交通安全など についても取り組んでいる。いずれは、こうしたノウハウを地域社会へ展開していきたい。
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東日本電信電話株式会社ネットワーク事業推進本部 |
◇表彰式
競技成績は、競技会実行委員長の小枝専務理事から発表が行われ、各部門及び総合部門の表彰者は表のようになりました。 部門競技では加賀谷会長から部門ごとに1位から8位に入賞したチームに表彰状が上位3社に盾が渡されました。 総合部門では、上位3社に盾と賞状、4位から8位に入賞したチームに表彰状が授与されるとともに、優勝チームの3選手に 金メダル、準優勝チームに銀メダル、3位入賞チームに銅メダルがそれぞれ授与されました。
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実行委員長 小枝専務理事 |
総合順位 |
総合部門優勝( ㈱TOSYS ) |
光アクセス施工部門順位 |
光アクセス施工部門優勝( ㈱TOSYS ) |
光ユーザ施工部門順位 |
光ユーザ施工部門優勝( エクシオグループ㈱ ) |
◇閉会式
選手の皆様、審査員、指導員の皆様、大変お疲れ様でした。ご来賓の皆様、お忙しい中、時間を割いて頂きありがとうございました。 3年ぶりの大会で事務局も不慣れなところがあったが、皆さまのご協力を得てつつがなく無事に終えることができ心から感謝する。オンラインでも多くの皆さまに視聴頂いた。 競技インタビューについてはインタビュアーからの質問について各チーム的確に答えていただき、会場全体がオンラインでも繋がり、とても臨場感があった。今年度の競技について、アクセス部門は 選手側のレベルも高く1チーム以外は時間内に競技を完了し結果は僅差であった。一方、ユーザ部門についてはタイムリーなテーマとして医療オンラインの課題に対して8パターンからの出題となっており難易度も高く 4チームは競技完了できず、点数はバラつきがでる結果となった。何れも各チーム素晴らしいパフォーマンスをみせて頂いた。今年度のテーマは、「未来を創る“つなぐ心”と“進化する技”で新時代へ!」ということを テーマに掲げて運営した。皆さんの創意工夫、新しい知恵を入れる工夫を持って、ここにいる若いエンジニアの皆さんが、男性女性に関わらず場合によっては外国人の方も含め、後に続く技術者の皆さんをこの業界に迎えて 育て、益々業界が日本の情報通信・ITを支えて発展していけるよう私共も一丸となって取り組んでいきたい。
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中山副会長による閉会挨拶 |
◇主催・後援
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